善友に思うこと ~ 善友に侍る(はべる)とは

人は一人では生きていけません。

生きる=人との関わり、その関わりを持つべき対象の一つして「友」の存在があります。

「友」というと、学校の同級生や先輩・後輩、仕事仲間、何かの会やサークルなどで知り合った人などを思い浮かべます。さらに恋人や夫婦の間柄も「友」といえばいえるでしょう。

もっとも私が考えるところの「友」とはそういった部類を超えて、「その人の人生において大きな影響を受ける人物」と捉えています。

そして「友」には善友と悪友があります。

 

善友」とは、「相手の利益」を思って、相手を守り、相手に寄り添い、相手に共感し、相手を励まし、人として相手の至らないところをあえて指摘してくれ、ときに叱ってくれ、ときに突き放してくれ、とにかくその友が幸せになっていくことを第一に考え、その友の成長を手助けしてくれる人、そんな人を善友といいます。

そこに、年齢や性別、職業、社会的な地位や経済力は関係ありません。

 

一方「悪友」とは、「自分の利益」のために相手を利用し、自分の損得や打算で付き合い、一時的な寂しさや退屈をまぎらわせるための道具とし、自分に都合が悪くなると真っ先に逃げ出し、相手のことを守ったり心配したりはせず、最終的には自分のためだけに相手を利用しようとする人のことを言います。 

さらにこの悪友の中には、「愚かな人」という部類の人も含まれます。

愚かとは「無知」であることで、何が正しいことなのか、何が善きことなのかをわからず、それを知ろうともせず、またそのような人になろうとする努力もせず、ただただ日々の刺激と快楽を追い求め、自分の欲に右往左往しながらその日を生きている人ということになります。世の中のためとか人のためといった思考はおよそ持ち合せません。

いまふうの言葉でいえば「今だけ 金だけ 自分だけ」を実践しているような人です。

関わる人が善友であるのか悪友であるのか、これは自分の人生にとってとても大きな勘所といえます。

霧の中を行けば覚えざるに衣しめる

という言葉があります。(正法眼蔵随門記 五の三) 

霧の中を歩いていくと知らないまに着物がしっとりとしている、という譬えです。

「覚えざるに」とは、知らないうちに、気がつかないうちに、という意味です。 

 

人生でいうと、人は、自分がどんな人の傍に居るかによって、知らず知らずのうちにその影響を受けていくということです。

すぐれた人と親しんでいると知らず知らずのうちに自分もすぐれた人になり、逆に知性が劣り、粗暴な言葉を話し、欲深く、お金や物への執着が強く、自分の損得や懐事情だけを考えて生きているような人と親しんでいると、知らず知らずのうちに自分もそのような人になってしまう。

 

上記「善友」と「悪友」の意味を自分自身について考えてみると、果たして自分は善友と言えるのだろうか…、善友になれるのだろうか…と思う一方、無知と愚かさにおいてはむしろ自分は悪友なのかも…と思えてしまいます。

でも、それでいい。

なぜなら「私は愚かな人間ではありません。」といえる人はいないからです。

私もあなたも、愚かさにおいてはみな平等なのです。

大切なことは愚かな自分を自覚し、愚かであるが故に、少しでも善友としての心構えを持って生きていこうと思う謙虚さと言えそうです。

何を心掛けるのかというと、普段の自分がどのような考えを持ち(思考)、どのような言葉を話し(言葉)、どのような立ち振る舞いをしているのか(行動)、そして自分の佇まいに「凛」とした美しさが宿っているのかどうか、これを常に俯瞰して観ていく。

善友の問題は、他人(外)の問題ではなくて実は自分自身の心(内)の在り様の問題なのでしょう。

 

先ほど取り上げた「今だけ 金だけ 自分だけ」という風潮ですが、自分の軸が定まらず、足元がおぼつかずにフラフラ流され、不確かな情報に振り回され、うまい話しにすぐに飛びつき、味をしめ、無知と愚かさの中で安易に楽して大金を得る道を突っ走る、それは結局自分の人生を詰むことに他なりません。

そうして得たお金に反比例して、その人の知性と品格は確実に失われていくからです。 

人間の本当の強さとは、自分の中の無知や愚かさに気づいたときに、自分を誤魔化すことなく即座にそれを改め修正していける謙虚さと素直さ、そしてその勇気にあります。

そこにはその人の、自分に対しても他者に対しても真剣に向き合って生きている、という人としての誠実さと強さが見て取れるからです。

なお思考と言葉と行いについては、マザー・テレサも次のように言っています。

以下、マザー・テレサ のことばです。
 

あなたの思考に気をつけなさい。

なぜなら、その思考はいつか言葉になるから。

 

あなたの言葉に気をつけなさい。

なぜなら、その言葉はいつか行動になるから。

  

あなたの行動に気をつけなさい。

なぜなら、その行動はいつか習慣になるから。

 

あなたの習慣に気をつけなさい。

なぜなら、その習慣はいつか性格になるから。

 

あなたの性格に気をつけなさい。

なぜならその性格は、やがてあなたの運命になるから。

自分が考えていることは、まわりまわって自分の運命になっていく。

悪しき行動の成功体験は、やがてそれが習慣となり、悪しき自分の性格となる。

心して過ごしていきたいと思います。

 

令和7年皐月

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