法テラスの公的制度を利用して債務整理の費用を抑える

借金の問題を抱えて専門家に債務整理を依頼するとなると,費用はいくらかかるのか?

__sozai__/0011707.jpg

これは大変気になるところです。  

債務整理をお考えの方は,現在返済に行き詰ってしまいどうにもならない方だと思います。当然お金も持っていませんね。

一方債務整理をするにはお金(費用)がかかるのも事実です。費用面を心配されて債務整理手続きを躊躇してしまう方もいるようです。

しかしそれではいつまで経っても借金問題の解決や生活面の立て直しは遠のいてしまいます。

そんな方のために 法テラスの民事法律扶助という公的な制度があります。

債務整理の大きな目的は、債務者の方の生活再建にあります。

そこで法律扶助制度の利用は、生活再建支援において抜群の相性といえます。  

債務整理で発生する費用のしくみ 

≪債務整理費用とは≫ 

債務整理で要する費用というと具体的にはどのようなものがあるのか。  

一般的には、司法書士や弁護士へ報酬として支払う着手金と報酬金があります。

その他に、破産や民事再生の手続きにおいては裁判所に収める予納金があります。

予納金には、官報掲載費用、破産の場合の破産管財人への報酬、民事再生における再生委員への報酬等があります。その他切手や印紙代等の実費です。  

≪司法書士・弁護士への報酬≫

専門家へ仕事を依頼した場合に支払う報酬(着手金や報酬金)については、現在、各事務所における報酬額は自由化されておりますので、同じ仕事でも高い事務所もあれば安い事務所もあります。

民事法律扶助制度の利用

法テラスの民事法律扶助制度は、総合法律支援法に基づき設立された日本司法支援センター(通称法テラス)が行う公的な制度です。

同制度を利用することにより、弁護士や司法書士への費用を全額立て替えてもらうことができます。

したがってこの制度を利用すれば、手持ちのお金がなくても債務整理ができるのです。   

その上、法律扶助制度を利用した場合、司法書士や弁護士への報酬額は所定の金額(後述)が規定されており、同制度を利用しない場合と比較して、場合によっては大幅に安くなるのです。

例えば任意整理の場合の減額報酬は発生しません。

また、自己破産や個人再生の申立の場合では、下記の報酬基準表の金額で出来るのです。

このようなことから、債務整理にかかる費用についは、法テラスの法律扶助制度の利用の有無で、費用面で大きく異なっていくわけです。

(注)民事法律扶助制度を利用するには、収入と資産において一定の基準が定められており、その基準を満たす方が利用することができます。

債務整理を検討中の方のほとんどは利用基準を満たしていると思われます。

利用基準の詳細は、法テラスの立替制度を利用できる人の条件(収入や資産の基準)をご覧ください。  

法テラスを利用したときの債務整理の費用額
(法テラスの報酬基準額)

法テラスの「民事法律扶助制度」を利用した際の専門家への報酬額(※)や実費は定まった額が規定されており、次のとおり所定の金額です(予納金は別途かかります。)。

そしてその支払いについては、月額5000円、7000円、1万円ずつ(選択可)の分割払いが可能です。   

※ ここでいう「報酬額」とは着手金のことです。成功報酬金というものは、法テラス利用での債務整理案件については原則として発生しません。

 

(1)任意整理    

債権者数

(業者の数)

着手金 実費等 合計(円)
1  33,000 10,000  43,000
2  49,500 15,000  64,500
3  66,000 20,000  86,000
4  88,000 20,000 108,000
5  110,000  25,000  135,000
6〜10  154,000  25,000  179,000
11〜20  176,000  30,000  206,000
21以上  198,000  35,000  233,000

(※) 法テラスの任意整理に関する報酬規定では「減額報酬」は認められておりませんので,法テラスを利用した場合は減額報酬金は発生しません。この点も非常に大きなポイントといえます。
 

(2)破産(自己破産) 

項目

司法書士へ依頼

(書類作成援助)

弁護士へ依頼

(代理援助)

着手金

88,000 

132,900〜280,761

(注3,注4)

実費  17,000  23,000 

合計(円)

(注1・2)

105,000 

155,900〜303,761

(注1)その他、裁判所への予納金が必要となります。予納金は法テラスの立替対象とはなりませんので依頼人の直接負担となりますが、生活保護受給者に限り、20万円を上限として予納金についても法律扶助による立替えが可能です。

(注2) 生活保護受給者については立替金につき、償還義務(分割返済の義務)の猶予や、免除が可能な場合があります。

(注3)弁護士に依頼した場合(代理援助)で管財事件になった場合、着手金が220,000円を上限として増額されることがあります。

(注4)弁護士に依頼した場合で(代理援助)、事件の性質上特に処理が困難なものについては、着手金が280,761円を上限として増額されることがあります。

 

(3)民事再生(個人再生)  

項目

司法書士へ依頼

(書類作成援助)

弁護士へ依頼

(代理援助)

着手金

110,000

(注2) 

165,000〜330,000

(注2,注3)

実費 20,000  35,000 

合計(円)

(注1) 

130,000

200,000〜365,000

(※)法テラスの報酬基準では、住宅資金特別条項(住宅ローン特約)が有ることをもって金額が上乗せされることはありません。

(注1)その他,裁判所への予納金が必要となります。予納金は法テラスの立替対象とはなりませんので依頼人の直接負担となります。

(注2) 弁護士に依頼した場合(代理援助)で再生委員が選任されない場合は、再生委員への報酬(15万〜20万円程度)は発生しませんが、着手金が33,000円を上限として加算されることがあります。

司法書士へ依頼した場合は原則再生委員は選任されることになりますが、着手金が増額されることはありません。

(注3)弁護士に依頼した場合で(代理援助)、事件の性質上特に処理が困難なものについては、着手金が330,000円を上限として増額されることがあります。

債務整理の費用を抑えるために

債務整理に要する費用を抑えるためには、上記法テラスの「民事法律扶助制度」を利用することです。

民事法律扶助は公的な制度ですので安心して利用できます。

同制度を利用した場合、司法書士や弁護士に支払う費用は、全国どこでも上記の金額でできます(予納金は別途かかります)。

よって、この制度を利用すれば上記の金額で債務整理ができるのですが、みなさん法テラスの制度のことをご存知ないので、同制度を利用せずに高額な手続費用を支払ってしまう方もいるようです。

しかし、そんな高額な報酬を支払わなくても債務整理はできます。 

現在あなたがするべきことは、一刻も早く多重債務状態を解消し、ご自身の生活面と経済面についての再建を図ることです。

法律扶助を利用せずに高額な報酬を支払っていたのでは、それだけあなたの生活面の立て直しが遅れてしまいますので、ぜひ民事法律扶助を利用することをご検討ください。

最近では、ネット、新聞、ラジオ、テレビ、電車やバスの広告、折り込みチラシ、無料出張相談等でさかんに債務整理を宣伝する事務所があります。

債務整理をお考えの方がこのような宣伝広告をみて依頼を検討する場合には、まず費用の「総額」が明確になっているかどうかをご確認下さい。

そして、上に書いてある法テラスの制度を利用した際の金額をよく頭に入れた上で、これら宣伝広告の事務所の費用が総額でいくらになるのかを事前によく確認をしてみましょう。

「トータル」でいくらかかるのか、ここが非常に重要な点です。

(注)かかる金額をきちんと明示できない事務所や、不明瞭な事務所もありますのでご注意下さい。

 

そして、そこで「提示された金額」が「法テラス利用時の金額」と比較してあまりにも高額である場合は、その事務所に対して、

「私は法テラスの制度を利用したいのですが、貴事務所では法テラスを使えますか?」

と聞いてみて、法律扶助制度の利用をお願いしてみるのもよいでしょう。

その事務所の司法書士や弁護士が法テラスと提携(法テラスに登録)をしている場合は、その事務所でも法テラスの制度が利用できますよ。

それらの事務所でも、後記②の「持ち込み方式」による法テラスの利用に応じてもらえれば、費用が安くなる上、手持ちのお金がなくても大丈夫ですから、依頼も格段にしやすくなり、あなたにとっても非常に有益なことといえるでしょう。 

法テラスの法律扶助制度を利用するには ☛ 申込みの方法は2通りあります

法テラスの制度を利用して弁護士や司法書士費用の立替を申込む方法は、次の2通りがあります。 

  
① 各県に設置されている法テラス直轄の事務所
に電話をして相談に行き、そこに常勤する弁護士さんに引き受けてもらう。

 あなたのお近くの法テラスの事務所は こちら  からお探し下さい。 

② 法テラスと提携している弁護士や司法書士(☚クリックしてQ7へ)を、HPや法テラスの登録名簿などから探し、自分でアポイントを取ってその事務所に直接相談に行き、その弁護士や司法書士さんを通して法テラスへ利用の申込みを持ち込んでもらう。

この方法を「持ち込み方式」(☚クリックしてQ1へ) といいます。

   

(注1)①の場合は弁護士や司法書士を指定したり選ぶことはできません。

(注2)②の持ち込み方式の場合は、弁護士や司法書士を自分で選択して法テラスの申込みができるというメリットがあります。

つまり②の場合は、自分が気にいった先生に依頼をすることができるということです。

あなたに「この先生は信頼できそうだ」「是非この先生にお願いしたい」と思える意中の先生がいる場合には②の方法がよいでしょう。

なお,①と②は申込方法の違いだけで金額は同じです。  

②の持ち込み方式の場合には、司法書士や弁護士への最初のご相談の時に、

「債務整理をしたいのですが現在お金がありません。月々5000円の支払いで済むという、法テラスの費用立替制度があると聞いたのですが,こちらの事務所では法テラスの制度を利用できますか?」 とあなたの方から聞いて下さい。

(注意)

親切な事務所なら、むこうからこの「費用立替制度」について教えてくれますが、基本、「法テラスの制度を利用したい」とあなたから言わないダメです。

是非言ってみましょう。決して恥ずかしいことではありません。

※ 依頼者が法テラスの制度の利用を望んだ場合、司法書士や弁護士はその希望を尊重しなければならないという規定があります。(その根拠規定は こちら )   

結論 債務整理の費用を抑えるための正規の方法とは  

最近では、様々な媒体で頻繁に債務整理に関する宣伝広告を見かけます。

それだけ業界内でも債務整理の顧客獲得競争が熾烈になってきているようです。

しかしながら、単に安ければよいということでは決してありませんのでご注意ください。

安さを売り物にしている事務所への依頼を検討する際にはよくよくご考慮下さい。

大切なことは安い高いではなくて、その事務所が信用に足りるかどうかです。

 

一方で、民事法律扶助制度は公的な制度であり、その報酬基準は総合法律支援法に基づき設立された日本司法支援センター(法テラス)が法務大臣の認可を得て運用しているものですから、士業間での報酬額のダンピングによってもたらされたものとは全く性質を異にします。

市役所等の公的機関で行われている各種援助制度や助成制度などでも、その制度の存在を知っていなければ、そして利用の手続きを自ら取らなければその恩恵にあずかることはできません。法テラスの制度もこれらと同様に、公的制度の一つとして考えていけばよいのです。 

 

あなたは今ここで法テラスの「費用立替制度」の存在を知りましたから、あとはこの制度を利用するためにはどうしたらよいのかを考えていけばよいのです。  

法テラスの制度の利用は、債務整理の費用を抑えるための手段としては最も合理的であり、正規のルート であるといえます。  

(注意)費用面を心配され、「債務整理はどこの事務所が安価なのか?」と一つ一つの事務所の金額を調べ比較していく方法は、非常に非合理的であり、賢い方法ではありません。

賢い方法とは「法テラスの制度が利用できる事務所」を探していくことです。

なぜなら債務整理に関しては、ごく一部の例外を除き、法テラスの報酬基準額より安い事務所はほとんどないからです。

法テラス利用なら、上記 Point3 に記載してある金額で債務整理が可能です。

その上、その立替金は毎月5000円からの分割払いができますから、 債務整理中と債務整理後のあなたの生活面の立て直しも無理なく行えるのです。

法テラスの制度を利用した際の最大のメリットは,

(1)債務整理費用が安くなる

(2)手持ちのお金がなくても依頼ができる

(3)立替金を月々5000円からの分割返済ができる 

※ 法テラスを利用しない場合でも費用の分割払いができる事務所は多いですが、通常月額2万円〜5万円程度の支払いを求められる場合がほとんどです。

しかし、法テラスの制度を利用すれば、月額5000円で大丈夫ですから、無理なく返済していけるという大きなメリットがあります。早期にご自身の生活再建を考え直したい方にとっては、法テラス制度の利用は抜群の相性だということができます。

(4)(1)〜(3)により無理のない生活再建への早期の道筋が立つ 

の4点であると言えるでしょう。  


 
Q. 法テラスの制度を利用できる事務所をどうやって探したらいいの?

最近では、司法書士や弁護士のホームページで、「法テラスの利用可」「法テラス対応」と表記している事務所もあるようです。


そこで目星をつけた事務所に電話をして、
「債務整理を検討しているのですが、そちらの事務所は法テラスの制度を利用できますか?」と率直に聞いてみるのもよいでしょう。

事前に「法テラス利用可」であることを確認してから、その事務所に相談に行けばよいのです。


(注目1)「 法テラスと提携(登録)している弁護士や司法書士 」の名簿は、各県の法テラスのホームページに掲載されている場合がありますので、こちら から確認してみて下さい(掲載されていない県もあります。)。

(注目 2)「法テラス提携の弁護士・司法書士」ってな〜に? については

法テラスあれこれ Q7 をご覧下さい。


(注目 3)  法テラスの制度を利用できる事務所がどうしても見つからない場合は、あなたのお住まいの都道府県には必ず 法テラス直轄の事務所 があります。

そこは法テラスそのものですから、あなたが利用条件をクリアしている場合は、法テラスの制度が必ず利用できます。 

法テラスの書類作成援助を利用して「後見申立」に関する書類一式を作成してもらう場合にかかる金額とその内訳はこちらをご覧下さい。

お電話でのお問合せはこちら 
0494-26-5562

司法書士・特定行政書士  五十嵐 正 敏

受付時間:9:00 ~18:00
定休日:日曜日・祝日

当事務所は、気になる「費用」面についてはいつも誠実でありたいと考え、適正と明瞭を心掛けています。法テラスの法律扶助制度の利用に対応し、資力の乏しい方への法的救済が実現できるよう取り組んでいます。これが、秩父市・いがらし司法書士事務所の特徴です。