借金の問題を抱え,債務整理を専門家に依頼するにあたり,ご依頼人にとっての心配ごとは大きく分けて次の2つのことがあるかと思います。
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上記二つの点について,私なりに考え,お伝えしていきたいと思います。
事務所の選び方(ポイントはどこか)
借金の問題を解決するにはどこの事務所,どの弁護士・司法書士に依頼したらよいのか・・・。
大変重要な点だと思います。
そこで,これから依頼をするにおいては,あなたが直接先生本人に会ってみて,
その先生が信頼に足りる人物か否かを実際にあなたの目で確かめるようにしてください。
最初の相談時点で判断できる事務所選びのポイントとして次のことをあげておきます。
事 務 所 選 び の ポ イ ン ト | |
@ |
本職(先生)自身があなたの話をきちんと聞いてくれるか( 事務員任せではないか。) |
A |
相談態度はどうか。あなたの話を丁寧に聞こうとする姿勢があるか。 (上から目線やドヤ顔でないか。態度が横柄でないか。言葉使いはどうか。) |
B |
あなたの立場に立って,事案や費用面について考えてくれそうか。 |
C |
報酬・費用について,法テラスの制度の存在も含めてきちんと説明してくれるか。(※) |
D |
相性(フィーリング)が自分と合いそうか。人間同士ですのでこれは結構大切です。 どんなに優れた法律家であっても,相性が悪いと結局うまくいきません。 |
債務整理では @〜Dのうち C がもっとも重要なポイントです。
法テラスの民事法律扶助制度についてきちんと説明し、その制度の利用を促してくれる事務所は,
本当にあなたの立場で物事を考えてくれている事務所といえます。
ア) 法テラスの民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)とは,弁護士や司法書士への報酬を支払う余裕がない方に対して報酬等の費用を立替えてくれる制度で,簡単に言うと,債務整理に関する弁護士や司法書士への報酬が安くなり,その支払い方法も月々5000円づつの分割払いが可能な制度のことです。
イ) 法テラスの費用立替制度を利用することで,司法書士や弁護士への報酬をいったん立替えてもらえるので,手持ちのお金がない方でも債務整理等の法的手続きをとることが可能です。
債務整理を考えているほとんどの方はお金を持っていない方なので,この制度を利用すれば,債務整理の費用面の負担が大幅に軽減されます。
ウ)したがって,債務整理の相談時に,費用面について司法書士や弁護士が法テラスの立替制度の説明をきちんとしてくれるかどうか,これが事務所選びにおいて大変重要なポイントといえるのです。
※ 民事法律扶助制度の詳細ついては,「費用の扶助制度」,「法テラスあれこれ」,「市民の視点Q&A Q1・Q2」をご覧ください。
事務所選びの心得
事務所選びでもっとも大切なことは,
広告内容や宣伝文句,ホームページの見映え,事務所の規模や外観,先生の経歴や肩書、
などで判断しないことです。(こういったものはあまりアテにはなりません。)。
大切なことは、宣伝文句や外見ではなく,本当の中身や自分との相性をよく確かめるということです。
そのためには実際にその事務所に足を運び,先生本人と話してみるということだと思います。
その司法書士や弁護士について,上記@〜Dなど,あなたがその先生をよく観察し,その先生があなたにとって信頼に足りる人物なのかどうか,この先生ならば任せてもよい,この先生にやってもらいたいと思えるのかどうかを,あなた自身で判断することが大切です。
ボールはあなたが握っています。
世の中にはいろんな司法書士や弁護士がいますから、よくよく自分との相性を見極めた上で、あなたが「信頼できそうだ」と思えた人に依頼されることをお勧めします。
相談時に,その先生が法律家である前に,ひとりの人間として信用できそうなのかどうかを,その言動や態度などからじっくり観察してみて下さい。そして,
目の前の司法書士や弁護士の眼をじっと覗き込み,その眼が澄んでいるのか,それとも濁っているのかをよく見て下さい。
(外見は取り繕えても眼は誤魔化せません。眼には,その司法書士や弁護士の本当の姿が現れます。)
眼が濁っているように見えたら,やめた方がよいということです。(直感が結構当たっています。)
いくつかの事務所をまわってみるというのもおすすめです。
最初の相談先で依頼を決めるのではなく,2,3ヶ所の事務所を是非まわってみてください。
債務整理に関する相談は現在どこの事務所も初回無料ですので,いくつかの事務所・先生を見てみるのもよいでしょう。
その上で,正直で,誠実そうで,自分のために最も親身になって仕事をしてくれそうだと思える先生に依頼をされるのがよいでしょう。
債務整理は,今後のあなたの人生設計においてもとても大事なことなのですから。
なお,依頼を急かしたり,強制するようなことをいう事務所は要注意です。
債務整理業務をビジネスとしてやっている事務所も要注意です(債務整理の主眼は債務者の生活再建です。)。
法律専門職にもいろんな人がいます。
良い人もいれば悪い人もいます。
優秀な人もいればダメな人もいます。
これらは世の常です。
後で後悔しないためにも,あなた自身,「本物を見抜く眼」が必要になってきているのです。
是非とも信頼できる先生を見つけていただき,「この先生に出会えてよかった!」と思えるような債務整理をしていただきたいと思います。
そして,あなたにとっての経済面・生活面の立て直しが早期に実現されることを願っています。
費用面の心配
債務整理の費用はいくらなのか,費用を低く抑える方法は, 費用の扶助制度 欄 をご覧ください。