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あるご縁により、この度手塚治虫の『ブッダ』全12巻を完読しました。
各巻の表紙にはそれぞれ異なった動物が描かれていて、一巻一巻読み進んでいくごとに「これはどういう意味があるのだ?」と思っていましたが、最終第12巻においてその謎が解けました。
第12巻 旅の終わり の表紙には、大樹の下ですべての動物がブッダを囲んでいます。
なるほど、そういうことだったのか!と膝を叩きました。
つまり、この世にある生き物、生命はすべて一体であり、そこにはいかなる差別もなく、優劣もなく、みな平等である、というこの漫画、いや仏教の大きなテーマが表現されていたのです。
輪廻、慈悲、空、諸行無常、因果の法則、四諦、八正道、法灯明・自灯明、小欲知足、仏・法・僧、等々
この書物には、様々なお話の中で上記仏教本来の教えがふんだんに盛り込まれており、しかもそれらが小学生でも自然に感じ身につくよう、わかりやすく描写されている非常に優れた仏教書の側面もあります。
全体的には、争い、差別、欲望、嫉妬、老い、病気、死、など人間世界の「苦」の部分がこれでもかとお話の中心になっているのですが、それでも、そんな世界で生きていくための「智慧」がブッダによって語られています。
また、人物、動物、自然などの絵(画)も、あるときは美しく、あるときはコミカルに、あるときは残酷に描写され、そしてところどころにユーモアが織り込まれていて読者を飽きさせません。
例えば、第10巻第3章死の沼地 の場面では、ブッダが自らの教団を離れて旅に出ると言い出しました。
弟子たちは、「ブッダの教えをこうために集まった教団であり、その中心になるあなたがいなくなってはこの教団は解散だ」と猛反対します。
弟子の一人タッタも、「そうだとも!!ブッダのいない教団なんてクリープを入れないコーヒーみたいなもんだな!」と。
クリープを入れないコーヒー、手塚さんはこういうお茶目なところがあるのです。
その他私が気に入ってる場面としては、第6巻第10章ルリ王子 の中で、ブッダが大木の下で動物たちに語りかける場面があります。シッダルタ(後のブッダ)を前に、そろっておとなしく一心に聞き入る動物たちの表情がとても柔和でホッコリするのです。
シッダルタ(後のブッダ):
「鳥よ… … チョウよ!ハチよ!アリよ!名もない草よ!」
「きみたちが私の兄弟だっていうことがはっきりわかった」
「さあ みんなおいで ここへおいで」
「私の話をお聞き これからすばらしい話をしてあげる」
♪シッダルタは、集まったみんなに興奮して、自分の体験をまるで人に話すように夢中で話して聞かせた。
♪ふしぎなことに、動物や鳥たちや虫たちは、おとなしくシッダルタの話に耳をかたむけていた。
♪それどころか、花も、草も、大木まで、静かにシッダルタの声に聞き入っているようだった。
♪話し終わると、シッダルタは目をつむってじっと考えこんだ…
私がこの『ブッダ』を読み終えたときの第一の感想は、10代、遅くとも20代前半くらいまでにこの漫画は読んでおきたかったな、そうすれば自分の人生もずいぶん変わっていただろうな、ということでした。
若いうちに『ブッダ』を読んでおくと、その人のその後の長い人生、人や、自然や、すべての動植物に対するものの見方や考え方、世界の見え方にも大きな影響が生じていくのかも知れません。
もちろん良い方向にです。
ひいては、自分がこの世に生まれてきた意味、いま自分がここに存在している意義、自分自身の在り方、人としての生き方、自己と他者との関係性等々、その人にとって正しくより充実した人生を送るためのヒントになっていくような気がしています。
最終第12巻では、晩年のブッダが次のように説法をしています。
いつも私はいっているね
この世のあらゆる生きものはみんな深いきずなで結ばれているのだと…
人間だけではなく 犬も馬も牛もトラも魚も鳥も そして虫も… それから草も木も…
命のみなもとはつながっているのだ
みんな兄弟で平等だ おぼえておきなさい
そして… みんな苦しみやなやみをかえて生きている
もしあなたがたの親や兄弟の中に飢え苦しんでいたり 不幸が起こったりしたらどうなる?
あなたの家はつぶれ あなた自身にも不幸がくるでしょう
自分の不幸を 自分の苦しみをなおすことだけ考えるのは 心がせまいのだ
みんなのことを考えてみなさい
だれでもいい 人間でもほかの生きものでもいい 相手を助けなさい
苦しんでいれば救ってやり こまっていれば ちからを貸してやりなさい
なぜなら 人間もけものも 虫も草木も 大自然という家の中の親兄弟だからです!
ときには 身を投げだしても 相手を救ってやるがよい
私は中年になってたまたまこの書物に接する機会に恵まれたわけですが、それでもこれからの自分自身の在り方、人生の送り方を再確認できた点では、とても大きな意味があったと今思っています。
令和5年卯月
司法書士・特定行政書士 五十嵐 正 敏
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