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平成27年5月、消費者庁は、
「消費者の訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識調査」に関する調査結果を公表しました。(pdf)
この調査では、FAX勧誘については「全く受けたくない」と回答した人が96.2%だったということです。
FAXによる勧誘行為については好ましくない側面が多々あり,平成29年12月1日から、通信販売において相手方の承諾を得ていないFAX広告を規制する法律が施行されました(特定商取引法第12条の5)。
この法律は、上記調査結果を受けて新設されたものとも考えられます。
このように、FAXによる広告は、受信する側にしてみれば迷惑と感じる場合が多く、これを行うことは企業倫理の問題ということにもなり得ます。
1.<FAX-DMの問題点とは,迷惑の所以>
FAX-DMの一番の問題点は、問答無用でFAXを送信することによって受信者側の迷惑を全く顧みないということです。
FAX広告を受信する側のほとんどの人は迷惑に思っています。
なぜなら、望みもしない業者の宣伝広告のために,受信する側の資源(紙,トナー,コピー機のカウント)が強制的に利用されるのですから,迷惑以外の何ものでもありません。
FAXDMで経費の大幅削減といいますが,ではその削減された経費は誰が負担するのかというと受信者側に他なりません。
FAXDMは、他人のFAX機を借りて、その費用(紙、インク代)は他人に負担させたうえで自分の営業活動をしていることになります。
この点が、電話営業、郵便によるDM、メール広告などと決定的に異なった大きな問題点であり、FAXDMを受信した多くの人たちには迷惑感情や不快感、場合によっては激怒に繋がる要因になってしまっていると考えられます。
まず、1)紙やインクの消費といった資源の損害が発生します。
次に、2)日常生活や業務が妨害され非常に鬱陶しい思いをします。
これは、電話とFAXを同一の回線で利用している場合は、度重なる迷惑FAXの受信中は電話回線も使用中になってしまう、また着信を意識的に留保したとしても何度も何度も繰り返し着信が続いてしまうからです。
上記1)2)がFAX-DMの問題点であり、迷惑といわれる所以です。
FAX-DMは、FAX代行業者自身がクレーム対策について触れていることをもっても、まぎれもなくクレームに繋がる広告手法ということなのでしょう。
そして、受信側としては、単に「すみません」と謝ってもらったところで、現実に被った実損害が解消されるわけではないという実情があります。
2.<FAX-DMの効果>
一般にFAXDMの反応率は 0.1% 〜 0.5% と言われています。
言い換えれば、99.5〜99.9%は無反応無反響ということになります。
仮に1000件送信して3件(0.3%)の反響があったとしても、残りの多くの受信者、少なく見積もっても8〜9割以上の受信者にとっては迷惑感情に直結してしまっているおそれがあります。
それだけでも、世間に対して、自社の企業イメージを損ない、低下せしめているといえるでしょう。
1件の反響を得るために、その何100倍,何1000倍もの多くの大切なものを失い、信用を失い、反感を抱かせるという行為は、実は、その企業のイメージとしては大きなマイナス要因になってしまっているとも考えられます。
すなわち、FAX営業(FAX-DM)をすればするほど、「当社は、反響を得るためには他人の迷惑なんて関係ありません。」ということを自ら大々的に宣言してしまっていることと同じなのです。
これは、会社経営を長いスパンで考えると完全にアウトなのではないでしょうか。
なぜならFAX営業は自社の信用を自ら著しく失墜させてしまうことに繋がりますから、これによって持たれた悪い印象や噂は、今後の会社経営にとっては致命傷になるおそれがあります。
即ち「自爆」(オウンゴール)をしてしまってるわけです。
よってFAX広告の効果としては、むしろ大きなマイナス感情に作用してしまっているとも考えられます。
当事務所にも、とある東京の税理士法人からセミナーやら書籍やらのFAX広告が頻繁に入ります。
もちろん当事務所はその税理士法人に対して、FAX受信に対する承諾をした事実はありません。勝手にどんどん入ってくるのです。
しかもここは複数枚に及ぶ場合が多く、非常に迷惑でストレスが溜まります。
この法人にとっては、それが人様への迷惑行為に繋がってしまうという問題意識は何も持ち合わせていないのでしょう。
たとえ持っていても、そんなの別に知ったことではない、どこ吹く風なのかも知れません。
当事務所は、このような税理士法人とは一切の関わりを持ちません。
もちろん、これらFAX宣伝のDMに反応するということも絶対にありません。
「他人の迷惑どこ吹く風」の企業や事業者、そんなところが提供する商品やサービスが、自分にとって有益なものになるとはどうしても思えないからです。
後で後悔するより、はじめから関わらないのが一番だと思っています。
この税理士法人には「このような営業方法はやめておいた方がよい」という感性を持つ人間が誰もいないのか?、いたとしても誰も指摘できない社風なのか?、と心配にさえなってきてしまいます。
このFAXDM一つをとってみても、この法人の企業姿勢というものがおよそ見当がついてしまいます。
自分の大事な税務を頼もう、任せようという気には到底なりません。
3.<FAX広告における倫理とは>
一方的に送信するFAX広告(FAX-DM)には、いくつかの問題があることは上記のとおりです。
FAX広告を「迷惑に感じている人が少なくない」という事実に疑いの余地はありません。
だから今回これを規制するための法律ができたのです。
とにかく,上記1)と2)について、「人様への迷惑行為」に直結するという自覚をきちんと持ち、これに謙虚に頭を働かせることです。
これが倫理観というものです。
「他人の迷惑どこ吹く風」という姿勢で生きていると、結局それは、自分自身に「不幸の風」となって返ってくるものです。
FAX広告については、この企業倫理という側面を見落とすと大変なことになるということは肝に銘じておいた方よいでしょう。
4.<営業の姿勢とは>
企業の営業活動とは、その企業の姿勢や信用を得るための大変重要なファクターです。
企業は人であり信用です。
そして営業活動の基本は、自らの知恵を使い足を使い、汗を流し、そのようにして熱意と誠実さを顧客に伝え、こうした日々の地道な努力がやがて成果につながっていくのです。
FAXをぺらっと一枚流すような楽な仕事をしていて新規顧客の開拓ができるほど世の中甘くはありません。
そのような手法で集客に繋がるなら、多くの企業や商売人もやってるはずですが、大多数の企業等はそんな非常識なことはしてません。
目先の利益に惑わされることなく、「信用」という無形の財産を得る道を考えていくほうが賢明な道のように思えます。
受信者側の立場を無視し、自社の利益だけを追い求めるような姿勢に大きな問題があることが自覚できていれば、このような営業方法をとるはずがないと思うのですが、いかがでしょうか。
冒頭、「消費者の訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識調査」に関する調査結果をご紹介しました。(pdf)
FAX勧誘については「全く受けたくない」と回答した人が96.2% という結果です。
即ち96.2%の人にとって「役に立っていない」「喜ばれていない」という事実をどう考えるのか、ここが、企業人としての「人となり」、即ち「企業となり」が如述に表れるところです。
迷惑FAXを受けた側は、この「企業となり」を冷静な眼で見ているものです。
その企業姿勢をもって、その企業の本質が見透かされてしまうのです。
「この会社はこんな程度なのか」と。
ここは送信側の真価(本当の価値)が問われているところですから、心していきたいところです。
基本に戻りましょう、基本に。
本物の経営をしていきましょう。そして、
一企業として人々の役に立つような、人々に喜ばれるような業務姿勢を真摯に考え、社会貢献に一層取り組んでいけば、その企業はおのずと発展していくのではないでしょうか。
私はそう思います。
5.<違法性の検討>
以上FAX広告について「企業倫理」の側面から検討してみましたが、平成29年12月からFAX広告に関する法律が施行されていますから、倫理の他にも、今後は「法律」という面での検討も必要となってきました。
法律面については、コンプライアンスを無視した営業手法を取れば,それは自らの信用問題に直結してしまいます。
法令さえも守れないような企業や事業者に、信用や信頼感を見出すことはできないからです。
(※ コンプライアンス(compliance):企業などが法令や規則を遵守すること)
FAX広告規制に関する「改正特定商取引法」の内容とその考察 ≫ FAX広告の規制に関する改正特定商取引法は、平成29年12月1日から施行されました。 今後FAXDMをはじめとするFAX広告をする際には法的に十分な検討が必要です。
今回改正された特定商取引法では、「承諾をしていない者に対するファクシミリ広告の提供の禁止等」という条文(第12条の5)が追加されました。 そこで、今回創設されたファクシミリ広告に関する法規制の内容について、特定商取引法の条文を丁寧に検討し、
等について考察していきます。 FAX広告規制に関する法律の考察は、FAX広告を規制する法律の内容とその考察 のページをご覧下さい。 |
FAX広告に関する違法性の判断は「法律問題」です。(特定商取引法12条の5)
上記法律施行後、FAX広告をお考えの方は、その違法性の判断については、
規制に利害関係がない弁護士等の法律家へご相談をされ、法律家の見解を聞かれることを推奨します。
法律の解釈については、素人判断をしたり、業界関係者が言ったことを鵜呑みにするのではなく、第三者の立場にある法律家の判断を仰ぐ方がよいでしょう。
なぜなら法律家は、法律の読み方をきちんと学び心得ているからです。
自分自身を守るためには、それが最も適切かつ賢明な道であると考えます。
司法書士・特定行政書士 五十嵐 正 敏
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